ネガティブの上手な伝え方 日本人がグローバル環境に馴染めない訳

先日クウェート大使館主催の昼食会に参加しました。昼食といっても1時間ほどの歓談から始まり、場所を移して2時間ほどのビュッフェがあり、その後また1時間ほどの歓談がある大掛かりなものです。

 

主な使用言語がアラブ語とロシア語であったので、そのどちらの言葉も話さない私は結構肩身の狭い思いをしました。が、喋る時間は無尽蔵にあったので、めげずに英語で元気よく応戦しました。

 

中で印象に残ったエピソードがあります。私に心を開いてくれた人々が共通して語った日本人像、それは「あまりにシャイな日本人」の姿です。

 

バルト三国のとある大使。随分昔、フランス語の研修を受けていた時の事です。同じ様に日本人数名もその研修に参加していました。課外授業ということで、研修生同士でハイキングに出かける事になったのですが、プログラムの中に2人乗りの自転車を体験する時間がありました。現場に着くまで同じ車に同乗していた彼らは、もの静かで何も語らず大人しく寡黙。現場に到着し、自転車を目の前にしてはじめて、今までこの乗り物に乗ったことはありません、と言ったそうです。数時間、車に同乗していた若き頃の大使は、どんなに時間があってもモノを言わない日本人に、大変なカルチャーショックを受けたといいます。

 

私は双方の気持ちが分かります。空気を読むことに長けている日本人の研修生はきっと、途中でネガティブな事を言って楽しい場の雰囲気を壊したくなかったのでしょう。対して、ネガティブなことでもしっかり相手に伝えることが信頼関係の構築に繋がると考えていたこの大使は、事が直前に及ぶまで真意を伝えなかった日本人にショックを受けたのだと思います。

 

長年海外で暮らしていると、皆、比較的ネガティブな事ほど、事前にはっきりと宣言して周りの了解を得ていることに気付きます。「私は、アルコールは飲みませんよ」「私は、ちょっと気分が良くないので早めに帰りますよ」それで周りの空気が壊れることはありません。

 

日本人は何を考えているのか良くわからない、と言われますが、それは私達がネガティブな事を直接表現せずに「空気」で理解し合う習慣が身に付いている部分が大きいと感じます。海外に出て、何か困ったことがあったら、事前に、正直にカラリと表現してみる。周囲の人々と良い人間関係を気付く小さなコツであると思います。