海外から見える今の東京

東京で現在、同時進行中の二つの展覧会のポスターを並べて目にした時、これはまさに海外から見える東京の風景ではないかと思った。国外ではどこを探しても見つからない美しい日本と、国籍を問わず革新を追求し受け入れる鋭利さやクレージーさ。東京は、今成熟して、外からはこのように見える。このように相反する二つの要素が同居する街は、世界を探してみてもあまりないように思う。

例えば、1600年代にオランダ人によって交易場として築かれたニューヨーク。ここには、世界の先端をゆく革新は存在しても、歴史が存在しない。現在美術館等に展示されている古美術品は全てギリシャやローマから買い取られ、アメリカへ輸入されたもの。1776年以前の歴史に関してはヨーロッパを扱うアメリカ社会では、ローマ彫刻を自分の国の美術館の常設展で見ることには、あまり違和感がないのかもしれない。

 

逆に紀元前700年代に築かれたローマ。ここには、後に連なるあまりに偉大で壮大な歴史があっても、革新自体が存在しない。この街はほぼルネッサンスで終了したのではないかと思わせるほど、過去の遺産で生きている印象が強い。現在世界的に支持されているイタリア料理であっても、その革新はイギリスや日本アメリカ等、他の国のシェフによって先導されていると思う。ローマ人達は相変わらず今日も、彼等の祖父や祖母達が口にしたパスタを好んで注文している。

 

東京のように、伝統と革新が同居する世界の都市をあえて挙げようとすれば、ロンドンが浮かぶ。大英帝国の遺産の陰でバンクシーの壁画がおどり、新しい美術館が次々とオープンする街。また今も金融の中心地。しかしこのような場所は、世界に他にいくつあるだろう。

 

革新の部分では世界の各都市と連動していても、伝統の部分では揺るぎない個性を持つ。海外から見ると、東京という街はひいき目なしに、今とても魅力的にうつる。