日本人の犯しがちな、英語学習法の誤り

(c) http://www.englishtown.co.jp/blog/category/language-lab/
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私が勤める場所には、霞ヶ関から数年の任期付で国際機関に派遣されてきた国家公務員の方が多く働いています。そして打ち解けてくると、彼らのほとんどが「英語がどうしても辛い」と洩らします。

 

本来、帰国子女でもなく語学習得の苦しみをよく理解する私ですが、日本で最もシャープな頭脳を持つとされる彼らが、どうして外国語を一つマスターできないのだろう、とある時不思議に思いました。そこで、今回は自分の経験も振り返り、日本人が英語習得過程で犯しがちな過ちを考えてみます。

 

1)試験対策を語学の勉強と捉えてしまう

2)日本の新聞を使って英語を勉強してしまう

3)上達の「近道」という文句に思わずひかれてしまう、の三点です。

 

1)試験対策と英語能力の向上を同意義に捉える

 

大学院入試に必要だったので、TOEFLの試験勉強を真面目にやらざるを得ませんでしたが、実際にその後仕事に役立ったのは、①初歩的な文法と②結論を先に書くという英文の構造だけでした。

 

反対に、オーストラリアとアメリカ南部出身者の英語訛りを瞬時に見分けること、相手の心情を害することなく上手にNOを言う方法、などは試験の点数を上げるためには全く必要ないですが、実際に仕事をする上では恐ろしく必要となるスキルであったりします。

 

英語を日本で一生懸命勉強した人が、アメリカで全く使い物にならなかったと気落ちして帰国したという話を何度も聞いたことがありましたが、これも教科書や試験に頼った勉強の方法であったのではないかとも推測します。

 

何の試験でも構いませんが、試験の点数が自分の語学能力をそのまま映しているとは思わないこと。試験勉強は無駄ではないが、自由なコミュニケーションとなった場合、試験で測ることの出来ない部分は思うより多いと感じます。

 

2)日本の新聞を使って英語を勉強する

 

語学習得のコツは、その国の言葉を、彼らの思考パターン(ロジック)や音(発音)も含め、どうにか効率的に自分の中にコピーしてしまうこと、にあります。

 

先日、大手新聞紙のコラムの英訳が、良い英語勉強法としてパッケージ化されているのを見て、如何にも受験勉強に慣れ親しんできた日本のサラリーマンの方が好きそうな教材だと思いました。確かに良く書かれた日本の新聞記事は、語学学習の最適な教材に思えます。

 

でも、日本でしか通用しない高度な言い回しが、実際、英語で行われる交渉の場面や自分の意見を簡潔に述べることを求められる企画書など実践の場で使われることはないです。これらは、洗練された日本語を英語にあてはめようとしてリストされたもの。

 

また、日本の新聞で扱われる国内政治や国内事情を扱った対訳を暗記しても、使える場面は日本を理解してくれる外国人に限られると思います。銀座歌舞伎座の新オープンについて英語で話すことができても、それを実際に使う場面は、日本の伝統文化に精通する外国人と話すときのみのように。

 

読解力を上げようと思ったら、英語で仕事をしている人々が日々普通に読んでいるものを真似して読んでみることです。

 

3)これこそ上達の近道、と銘打ったものに惹かれてしまう

 

語学習得のコツは、その国の言葉の語順と音を、どうにかそのまま自分の中にコピーしてしまうことにあると書きました。そしてそのために必要なのは、あきれるほどの繰り返しです。

 

もうやっていられない、と諦めそうになった時、きっと言葉が自分の言葉として、意味をもって自分に入ってくる時が来ます。ですから「英会話上達の近道」といった文句に惹かれる方は、果たして本当にそうだろうか?と一度ふりかえってみるのもいいかもしれません。