グローバル人材再考 異国の人々と対等なコミュニケーションを取るために(非言語編 Vol.1)

以前書いた、「グローバル人材再考」のブログで、グローバル人材に必要なスキルの一つとして「異国の人々と対等にコミュニケーションする能力」を挙げた。これは、英語を如何に上手に操ることができるかという言語能力の範囲を超えて、体感距離、表情や視線などの非言語コミュニケーション能力も含むと書いた。これはTOEFLの試験の点数などでは決して測ることの出来ない部分だが、海外の人々と広く付き合う為には、どうしても見過ごすことは出来ない側面であると思う。人と人とのコニュニケーションの中で重要な役割を担うに関らず、日本の英語教育の中で大きく欠けている部分でもあるので、今回は非言語コミュニケーション能力について書きます。考えだすとかなり幅が広い話題なので、初回はまず出会いとしての1)アイコンタクトと2) 体感距離から。

 

 

1)アイコンタクト

アジアの中には、相手の目をしっかり見ることを失礼と捉える文化が多くあるが、英語圏では、アイコンタクトはまず無視することは出来ない部分。知らない人に対しては、自分が相手に悪意を持っていないことを示し、自分の知人に対しては、相手に対する親愛の意を示す。これがアイコンタクトの目的であるので、自分の対応は場所に応じて変化する。エレベーター等、偶然限られた空間で相手と乗り合せた場合は、相手の目を見て微笑むと良いと思う。相手が自分に微笑み返した時点で、目をそらす位が良いタイミングで、アイコンタクトと言ってもあまり見つめすぎないのが要。エレベータースピーチの要を思い出して、相手に小さな話題をふっても良いかもしれない。相手はきっと貴方に好意をもってくれるだろう。会議などで、偶然誰かと目が合った時もすぐに視線を逸らさないこと。私は何人かの同僚に、会議中お互い目が合った瞬間にウインクを送られたことがあり、面白いと思った。これが、相手が権威を重んじる組織の重役であったら、彼等はどう対応するだろう。目的は、相手に自分がオープンであることを知らせ、好意を知らせること。誰とどこでどのように目が合うのかで、対応は臨機応変に変わる。

 

2)体感距離

日本人は公の場所で、最も他者と距離をとりたがる国民と聞いて納得したことがある。これを十分理解している私でも、自然体感距離の極度に狭い南欧の人々と歩いていた時、無意識に距離を取ってしまい、逆に彼等が私に無意識に近づいてくるので、歩行が横に大きくそれて一人苦笑したことがある。特に海外では、他者と体を近づける場面が多い。良い例は、挨拶。初対面の場合は、アイコンタクトと共に握手をするのが基本。知人になると、ヨーロッパでは両頬にキス、アメリカやオーストラリアではハグを交わす。頬を合わせるキスの場合、イギリスやイタリアは2回、フランスやスイスは通常交互に3回で、少々ややこしいが慣れれば大丈夫。彼等にとっては両頬を合わせるキスは親愛の印で、再会の場面でこれを拒むことは、相手に心を閉ざしていると捉えられてしまうこともあるので少しの注意が必要だと思う。以前留学していたイギリスで、教授の自宅に招かれた際、80才の齢を超える彼に頬を合わせるキスをされ、玄関先で泣き出してしまった友人がいたことを覚えている。双方の文化を知る私としては、お互いの意図と行動の理由を理解できる出来事で興味深かった。また海外に出る機会の限られているアメリカ人に両頬を合わせるキスをすれば、相手は仰天するだろう。彼等に対しては、肩のみを合わせるような形で、両腕で抱き合うのが親愛の情を伝える良い方法。日本人としての自分の土台は崩さずに、相手の文化を理解し、彼等に柔軟に合わせてあげることが出来れば、彼等とのコミュニケーションの質も速度も上がると思う。

 

日本で勘違いされやすい海外での自己主張について、場面に応じたファーストネームの扱い方に関するお話は、また次回で。

 

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