日本生まれで日本育ちで国連職員。これまで7カ国に住み、60国籍以上の人々と働いてきました。


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自分勝手ではない人生とは

体の不調をきっかけに仕事を辞め、14年ぶりにご両親と共に実家で暮らしているというAさ ん。ご両親からは「早く結婚して家庭を持つように」と毎日のように言われ、もともと夢であった海外での仕事も諦めるべきか迷っているそうです。これまで自 分勝手に生きてきたのだから次は親孝行を、というご両親に、果たして自分は夢を追いかけるべきか地元で結婚すべきか、分からなくなってしまったといいます (質問ありがとうございます)。

さて、自分勝手ではない人生とは何でしょうか。

結論からいうと、私はそんなもの存在しない、と思うのです。結婚するのも、子供を持つのも、仕事を続けるのも、つきつめれば自分がそうしたいからです。自分 勝手に生きているからこそ、私たちは自分の人生に満足して、周りにも優しくできるのです。誰かのために生きていては不満ばかりで、周りにも似たような犠牲 を強いてしまうでしょう。私たちは、周囲のためにこそ、もっと自由に生きるべきです。

夢 を追いかけるには、リスクが入ります。レースの勝者の影には、そこには辿り着くことの出来なかった敗者の姿があります。ご両親の言葉は、そんなリスクを大 事な娘には取らせたくない、というお気持ちなのだろうと推察します。でも人生のレースは一回だけではありません。また一種類だけのものでもありません。時 間の流れと人との出会いが、千の諸相を見せながら、複雑に入り組むものです。

もう30代です。これは、親からは精神的に独立すべき年代 です。自分がしなければならないことを、心に静かに問いてみましょう。「海外で働きたい」という気 持ち以上に、それを通じて何を得た自分が、今まで以上に輝いているのかを繰り返しイメージしてみることです。いつか子供を持ちたいと考えているならば、そ のタイミングも考えるべきです。

本当に自由に生きることは、親不孝をすることではありません。もともとご両親を尊敬しているという質問者様のこと。心配はいりません。軸を自分の中心にすえて生きるために、迷う今こそ、どんな状態にあることが自分にとって幸せなのかを、考えしてみる良い機会なのだと思います。


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